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胆管がん問題「印刷業が問題ではない可能性」


胆管がん問題「印刷業が問題ではない可能性」

胆管がんの問題は考えていた以上に奥が深そうですね。

単に印刷校正業者がみんな問題ということではなく、

この印刷校正会社独自の問題で、

ここまでひどい胆管がんの発症になってしまったということですね。

この問題から胆肝がんの注目度が上がって、

治療方法が変わる可能性が出てきているようで、

大きく期待したいところです。

胆管がん問題「印刷業が問題ではない可能性」

<以下、記事の引用です>


胆管がん問題「印刷業が問題ではない可能性」
日本肝胆膵外科学会理事長・宮崎勝氏に聞く


宮崎勝理事長
 大阪市の校正印刷会社で従業員らに胆管がんが多発していることが判明した問題は、東京都や宮城県など5都府県に広がり、全国で24人(死亡14人)に上ることが明らかになった。厚生労働省は因果関係について調査を行っているが、原因として指摘されているのがインクの洗浄剤に含まれている1,2ジクロロプロパンとジクロロメタンという物質だ。しかし、この物質によって胆管がんが引き起こされるならば、全ての校正印刷会社で同じ現象が起きていないと説明がつかない。数多くの胆管がん治療を手掛ける日本肝胆膵(すい)外科学会の宮崎勝理事長(千葉大学医学部附属病院長)は、自身の経験から「校正印刷に携わること自体が問題ではなく、その会社にしかない別の要因があるのではないか」と分析する。今回の胆管がん問題について、同理事長に聞いた。

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校正印刷会社とは

 “第二のアスベスト禍”になる可能性も指摘されている胆管がん問題の発端は、産業医科大の熊谷信二准教授の調査で、大阪市の校正印刷会社の元従業員5人が胆管がんを発症し、4人が死亡と発表したこと。この調査では、胆管周囲の臓器で発生するがんによる日本人男性の平均死亡率に比べ約600倍多いこと、発症年齢も日本人平均の60~70歳を下回る25~45歳だったことも明らかになっている。

 その後の厚労省の調査で、校正印刷会社での胆管がん発症者が全国で24人、死亡者が14人に上っていたことが分かった。厚労省は因果関係についてさらなる調査を行っているが、その証明は容易ではない。一方で、同省は労災認定の検討会を設置することを決めたほか、津田弥太郎・厚生労働政務官が因果関係の解明を待たずに労災認定について一定の結論を出したいとの見解を示している。

 そもそも校正印刷会社とは、文字やデザイン、発色など仕上がりの確認を行う色校正の印刷(校正刷り)を専門に行う事業所のこと。校正刷りは通常の印刷よりも刷る枚数が少ない代わりに、何度も版を替えなければならない。つまり、それだけ洗浄する回数が多いということだ。1日の洗浄回数は通常100~500回とされるが、報道などによると、大阪市の校正印刷会社では多いときで1日1,000回の洗浄を行っていたという。また、防毒マスクも着けずに洗浄作業をしていたこと、2年前まで有害物質を廃棄する特殊装置を設置していなかったことも報じられている。

 “容疑者”に挙げられている1,2ジクロロプロパンとジクロロメタンは、動物への発がん性が指摘されている化学物質。ただし、人間への発がん性は証明されていない。現在は業界の自主規制で使用禁止となっているが、大阪市の校正印刷会社ではこれらを含む洗浄剤を10年ほど前まで使っていたという。

“第二のアスベスト渦”になるのか

――日本人の平均を大きく上回る発症年齢、死亡率について。

 報道で知って驚いた。患者が多発した印刷会社の中で、一般とは違う何かの要因があるのは間違いない。ただ、これまでの経験から、胆管がん患者で印刷業に携わっている人が多いという印象はない。というのも、胆管がんは治療が非常に難しく時間を要するため、主治医は患者のことを極めてよく覚えているからだ。これは、他の病院の胆管がん治療を手がけている医師に聞いても同じだった。

 また、今回の報道があった後は特に、若い患者に自身や家族の職業を聞いているが、印刷業関係者はいなかった。

 そのため、これまで知られている胆管がん発生因子とは違うものが関与しているのではないかと思っている。胆管がんは前がん病変のないデノボ発がんだが、今回の場合は異なるメカニズムで発がんしている可能性も考えられる。

 日本肝胆膵外科学会の胆管がん登録事業では、職業までカバーしていなかった。しかし、各施設に約10年分のカルテは残っているはずなので、現在行っている調査で患者の職業をチェックする。その結果によって、職業と胆管がん発症の関係がある程度分かると考えている。

――“第二のアスベスト禍”となるのでしょうか。

 環境要因によるがんとして考えるならば、そう捉えられる。ただし、印刷会社の中に要因があるのは確かなものの、1,2ジクロロプロパンとジクロロメタンを“犯人”とするのは時期尚早だ。アスベストもそうだが、有害物質が飛んで体内に取り込まれるとき、まずは呼吸器に入る。つまり、全ての細胞に発がん性があるのならば、通常は肺や気管支にがんが発生するはずだ。一方で、胆管だけに発がん性がある可能性、肝臓で代謝されるときに発がん性を持つ可能性なども考えられる。

 また、物質が人体に入っても胆管に排出されることはなかなかない。原因とされる2つの物質が肝臓から胆汁に排せつされるものかどうかを調べれば、すぐに分かることだろう。ただ、発がん性があるかどうかを確認するには長期間、慢性的にその物質にさらされることを動物実験で再現しなければならないので、非常に時間がかかる。

 胆管がんの危険因子として原発性硬化性胆管炎、寄生虫などが挙げられる。通常、まずはこれらのことから除外していかなければならない。それらを排除して初めて、1,2ジクロロプロパンとジクロロメタンが“犯人”と確定する。この2つの物質はこれまで、胆管がんを含む胆道がんの危険因子と指摘されたことはないが、調査の結果によっては新たな危険因子になり、ガイドラインに掲載されるかもしれない。

――排気装置やマスクなどをつけていれば防げたのでしょうか。

 過去は現在に比べ、職場環境が悪いところも多かった思う。もし同じような物質が原因ならば、これまでも多くの印刷業関係者が胆管がんを発症していてもおかしくないだろう。ところが、現在、高齢になった印刷業関係者でも発症していない。つまり、2つの物質だけが原因というような、単純な問題ではない可能性が高い。

 また、患者が多発した印刷会社が、他の会社では使っていないような有機溶剤を使っていたことも可能性としてはある。

 そのほか、有機溶剤を使った後に手を洗わず食事をする習慣があった、飲料水が有害物質に汚染されていたことなども可能性としては考えられるので、これらを総合的に検証していかなければならない。

 今回の問題を研究することで、胆管がんの早期診断法、さらには分子標的薬の開発につながる可能性がある。胆管がんには現在のところ分子標的薬がない。その意味では非常に大きな転帰なので、しっかりと追跡したいと思う。


(小島 領平)

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