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国民はもっとがんを知るべきだ

中川恵一著 <がんのひみつ> 朝日出版社

メタボの検診よりも、がんの検診で重要な<大腸がん、子宮頸がん、乳がん>が大事だということです。

日本はがん先進国ではないいですね。

欧州ではがんの死亡者は減っているというのに、日本は右肩上がりで上昇中になっている。

がん後進国、日本!!

なにか大きな間違いがあるようです。

記事のリンクURLです。

国民はもっとがんを知るべきだ

<以下、記事の引用です>


国民はもっとがんを知るべきだ
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【特集・第20回】
中川恵一さん(東大医学部付属病院、放射線科准教授)

 がんが増えている。1981年から死因の第1位となっているこの病気は、高齢化などを背景に、右肩上がりに増殖を続けている。しかし、がん検診の受診率が上がらないなど、国民にはこの病気への危機感は感じられない。国は昨年、がん対策推進基本計画をまとめ、75歳未満のがんによる死亡率を10年以内に20%減少させるなどの目標を盛り込んだが、現在この国に何人のがん患者がいるかも分かっていないなど、問題は多い。国民はもっとがんを知るべきだと訴える東大医学部付属病院の中川恵一さんに話を聞いた。(津川一馬)

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―日本では、がんによる死亡が増えているのに対して、欧米では減っているのはなぜでしょう。
 しっかりと取り組みをやっているからです。がん登録などを進めて適切に、科学的にがんと向き合っている。がんの検診についても同じことが言えます。がんの検診というのは、子宮頸がんと乳がん、大腸がんについては、明らかに有効です。ところが、米国では子宮頸がんの検診受診率は9割ですが、日本はおそらく15%くらいと圧倒的に違います。そういうまじめな取り組みが日本でされていないことが、欧米ではがんによる死亡が減っていて、日本では増えているという背景につながっているのではないでしょうか。

―高齢化の影響を指摘する声もあります。
 それは当然あります。ただ、高齢化が進んでいるのは日本だけではありません。欧州でも高齢化は進んでいます。日本が世界一の高齢化社会であるのは確かなので、日本は確かにハンデがあるんですけど。
 それから、日本はがんによる死亡が増えているけれども、欧米では減っているということを国民が知らないですよね。
 だから一言で言うと、がんにまじめに向き合っていない、目をそらしたい、そんな印象を受けます。

―原因は何だと思われますか。
 死なない感覚ですよ。日本人は死ぬということを受け入れられない。昔あった諸行無常という感覚が全くなくなって、いつまでも生きるという感覚になっている。
 感覚の変化は自然がなくなったとか、核家族化が進んだなど、いろんな要因があると思います。病院で死ぬ人が増えたことも大きな要因ですね。今は8割の人が病院で死ぬ。昔は8割が家で死んでいた。昔の子どもは家でおじいちゃん、おばあちゃんが弱って死んでいくのを見ていたけれども、今の子供はそういう経験がなくなって、死なないという感覚が出てきた。そうすると、日本は戦争もない平和な国だから、がんだけが死に直結するイメージがある。その上で死なないつもりでいると、がんの話は耳に入らないわけですね。聞きたくもないし、考えたくもない。

―国民ががんを知らないことを解決していくためには何が必要でしょう。
 がんの教育でしょうね。欧米ではがんの教育をしっかりしている。欧米でも最大の病気ですからね。
 米国人は子宮頸がんの治療について、8割の人が放射線治療を受けているけれども、それは子宮頸がんには放射線治療が有効だということを教育の結果、知っているわけですね。日本人は全く知らない。消費者に知識がなければ、結局メーカーは好きにするわけです。
 日本は小学生が英語を習うことになったけど、英語よりも、やはりがんの知識、最低限のことを知っていることの大事さというのは、はるかに上だと思うんですけどね。

―日本のがん対策についてですが、携わる医師が少ないことを指摘する声もあります。医療を提供する側の問題点をお聞かせください。
 例えば、放射線治療の専門医は542人います。2人に1人ががん患者の日本では、10年後、がん患者の2人に1人が放射線治療を受けると考えられるが、そうすると日本人の4人に1人を542人で治療することになり、これは無理な話です。
 がんの治療は大変だし、人も死にます。そういう大変な科よりも眼科とか皮膚科とか、楽な科に行く傾向が強くなっているんですよね。
 開業医志向も強くなっていますし。放射線治療は基本的には開業なんかできないですよね。
 給料が安くて、仕事もきつい。また、患者さんが亡くなるということは、訴訟も起こり得る。そういう科に入って来ない。10年で患者は倍増しているのに、医師数が付いていっていない。

―がん検診の受診率が低いことも問題だと思います。その背景には、やはり先ほどおっしゃっていたがんに関して知識がないということもあるでしょうが、がんから目をそらしているということもあるんでしょうか。
 そうですよ。自分ががんだと考えたくないムード。
 しかし、結局がんの治療はそれほど進んでいません。がんにならないようにする、がんになっても早期に発見するというのがポイントで、それは実は医療と関係ない世界なんですよ。医師に関係のない、個人に属することです。例えば、たばこ。たばこがなくなると、日本人の男性のがんの3分の1はなくなります。そういう個人の努力を怠っているわけだけど、そういう教育がなされていないんですよね。だから初等教育の中でがん教育をやっていくことが一番良くて、それが結局、医療費を下げることにもつながるわけです。米国で子宮頸がんについて9割検診されているのは、その方が進行がんになってから来られるよりも、安いからです。がん検診は結局、医療費の削減になるんです。

―やはり早期発見につながるという意味では、がん検診というのはどんどん受けていく方がいいのでしょうか。
 すべてのがんが同じタイプではありません。例えば前立腺がんとか甲状腺がんなど、30年かけてゆっくり育っていくようながんについては、高齢者は検診なんか受けない方がいい。80歳で早期の前立腺がんを見つけたとしても、30年後まで大きくならないわけです。見つけてしまったら手術する。そうすると、お金も掛かるし、副作用も起こるわけです。だから、本当にゆっくり進むようながんを高齢者の場合、早く見つける必要はないんです。でも、すい臓がんみたいに月単位で進むようなものもあります。これを早期に発見しようと思ったら、毎月検査しないといけない。これもまた、できないことです。つまり、検診が有効なのは、ある程度ゆっくり進むがんなんですよ。それが大腸がん、子宮頸がん、乳がん。この3つについては、絶対にやった方がいい。これは国際的に分かっていることです。でも、日本は国際的に証拠があることをやめて、メタボ検診みたいな根拠のないことを選んでしまった。

―日本では、がんの治療ばかりに目が向いていて、緩和の方にあまり目が向いていないと本に書かれていますが、これはやはり問題だと思われますか。
 結局、死ぬ気がないからですね。命には限りがあるわけだから、その時間をどう使うかというのはケアの発想です。
 日本人は、目の前の病気が治れば、それでずっと生きていくと考えて、治す側ばかりに行く。
 医療用麻薬を例にしても、日本人は死ぬ気がないから、麻薬なんてごめんだと言う。でも実は、麻薬を使った方が長生きする、というデータもあります。つまりケアをすること、癒やすということは、実は命も永らえさせる。それなのに、痛みを和らげる麻薬を拒否して、結局短命に終わるなんていう皮肉なことになっている。
 死なない感覚というのは、がんだけではなくて、いじめとか自殺にもつながる話なんですよね。死ぬんだっていう当たり前のことを子どもが忘れている。そういう教育も必要だと思います。


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