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Dr.中川のがんから死生をみつめる:/31 見習いたい最期の姿

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/31 見習いたい最期の姿

中川先生のコラムです。

今回は人生の最後をどのように過すか!

大変深いお話を書いてくれています。

ちょうどその方と同じ年代で小学校の子供もいますのでオーバーラップして読ませていただきました。

残されていく人にとっては非常に辛いことになりますが、最後まで自宅で過すことができて、

一日で死んで行くことができることは、死に方としては理想かもしれません。

合いたかった人に会ってお礼を言えますし、子供たちともしっかりお別れができることは、

私も理想的な死に方だと思える部分です。

がんという病気に晩年かかってしまっても、考え方で死に方も変わってくると思います。

いい死に方を教わることができました。

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/31 見習いたい最期の姿
<以下、記事の引用です>


Dr.中川のがんから死生をみつめる:/31 見習いたい最期の姿

 がんの医者を25年間もやっていますから、多くの患者さんをみとってきました。どんな方の死にも、それぞれのドラマがありますが、先日亡くなった患者さんのことは忘れられません。がんは、人生の仕上げをできる病気だということをあらためて思いました。

 まだ50歳、膵臓(すいぞう)がんでした。学生時代に起業した上場企業のオーナー経営者。携帯電話のソフトウエアのトップ企業を育て、個人資産は数百億円とうかがいました。

 別の病院で手術を受けましたが、不幸にも再発。がんが神経を圧迫し、みぞおちに痛みがありました。膵臓がんには、ジェムザールという抗がん剤が特効薬ですが、「(倦怠(けんたい)感などの)副作用が仕事に差し支える可能性がある」と、拒否されました。自ら主治医に放射線治療を提案、東大病院の僕の外来に来たのです。

 放射線治療で痛みは軽くなりましたが、肝臓への転移が確認されました。がんは転移すると、窓から出て行った小鳥が捕まえられないのと同じように、治癒はほぼ不可能です。ご本人もそのことは知っていました。

 日本では、まず家族に病状を説明することが普通です。しかし、この方の場合、すべて、ご本人とだけ話をしてきました。「奥様にも説明した方がよいのでは」と提案すると、こう答えられました。

 「腫瘍(しゅよう)マーカー(がんによって作られる血液中の物質)の上昇が緩やかになっただけで、女房がすごく喜ぶんです。来年までもたないかもしれない、なんていうと、『そんなこと言わないで』って泣くんです。女房のことを考えると、少しでも頑張らなきゃなって思います。女房をがっかりさせたくはないんです」

 彼は、自分の死を恐れるのではなく、家族や友人が、自分の死を嘆くことを恐れていました。そして、亡くなる前日まで自宅で過ごし、まだ小学生のお子さん、一人一人とお話をして、来客とも会われたそうです。翌朝、容体が急変し、救急車で東大病院まで搬送され、そのまま亡くなりました。

 僕もがんで死にたいと思っています。見習いたい死の姿がありました。合掌。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

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