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Dr.中川のがんから死生をみつめる:/22 余命を生かす

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/22 余命を生かす

がんは、仮に治らなくても、人生の仕上げをするだけの時間を与えてくれます。米国では、「心臓病で一瞬のうちに死ぬのはゴメンだ。がんで死にたい」という人が多いと聞きます。

こういう考え方もあるんですね。

私の周りにはその逆で一瞬で死にたいという人ばかりですが、がんが<苦しい時間>ではなく<人生の集大成の時間>と思えたら素晴らしいことです。

そう思えるように、がんになる前から意識を変えていきたいものです。

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/22 余命を生かす
<以下、記事の引用です>


Dr.中川のがんから死生をみつめる:/22 余命を生かす

 原爆被爆当時、広島には約35万人の市民と軍人が住んでいました。終戦の年の1945年末までに、そのうち約14万人が死亡したと推計されています。

 爆心地から1・2キロの地域では、その日のうちにほぼ半数が亡くなり、より爆心地に近い地域では8割以上が死亡したと推定されています。被爆直後の爆風や熱線で即死した人は計7万人にものぼると言われます。

 原爆投下の日は、空襲警報も出ませんでした。一瞬で命を奪われた7万もの方々は、巨大な閃光(せんこう)を疑問の目で見上げた次の瞬間、ほとんど同時に死亡したことになります。このように、たった一瞬に何万もの人間が同時に死んだ例は過去にはありません。

 原爆とは次元が違いますが、突然の心臓発作など、思いも寄らない突然の死がある一方、がんによる死には、死までの時間がかなりあります。よく「余命3カ月」などという話を耳にしますが、がんが治らないと分かってから、多くの場合は年の単位の時間が残されています。実際、余命半年と宣告された患者さんが、その後何年も生きているといった例は、めずらしくはありません。ただし、どうも最近は、医師の口から出る「余命」が、昔より短くなっているように思えます。

 僕は、軽々しく余命を告知することに反対です。そもそも、余命を予測するのはとても難しいことです。医療に対する社会の目が厳しくなり、訴訟も増える中で、医師が「自己防衛的」に余命を短く話す傾向もあるように感じます。告知より早く亡くなれば非難されますが、余命を短く言って結果として長く生きられれば、「名医」になれるわけです。病院での同意書に悪いことばかりが書いてあるのと同根といえるでしょう。

 がんは、仮に治らなくても、人生の仕上げをするだけの時間を与えてくれます。米国では、「心臓病で一瞬のうちに死ぬのはゴメンだ。がんで死にたい」という人が多いと聞きます。

 がんは、思ったより長い時間が残される病気です。その時間を「苦しい時間」から「人生の集大成の時間」に変えることが、緩和ケアの大きな役目です。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

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