Dr.中川のがんから死生をみつめる:/20 政権公約を比較する
ドクター中川先生のコラムです。
今回は政治のがんに対する取り組み方の違いについてです。
政権交代が起こるかもしれない選挙も明日にせまっていますが、がんに対する取り組み方も自民党と民主党では違っています。
どちらにするかはマニュフェストをよく読んでみて考えてみたいですね。
Dr.中川のがんから死生をみつめる:/20 政権公約を比較する
<以下、記事の引用です>
Dr.中川のがんから死生をみつめる:/20 政権公約を比較する夏の「政権選択選挙」が18日に公示されました。1374人の候補者を対象に、毎日新聞が実施した政策課題に関するアンケートによると、多くの項目で自民党と民主党の主張の違いが鮮明になっています。特に違いが目立ったのが憲法や外交問題、年金制度、消費税などです。自民党に民主党が「政権交代」を突きつける対立構図を裏付けているようです。
さて、がん医療について、政権を争う2党のマニフェストを比べてみましょう。自民党のマニフェストでは、「検診、予防ワクチン、放射線療法や化学療法、緩和ケアなどのがん医療の充実や均てん化を行うとともに、患者の立場に立ったがん対策を充実させる」とあります。「均てん化」とは、「国内どこに住んでいても同じような医療を受けられる」ことを指します。
一方、民主党は「国内どこに住んでいても最善のがん検診・治療が受けられる体制を確立させる。乳がんや子宮頸(けい)がん、大腸がん、肺がん、胃がんなど有効性が高いがん検診受診率を大幅に向上させるよう受診しやすい体制を整備。がん予防に有効なワクチンの開発・接種の推進、禁煙対策の徹底化などを通じて、がんの予防対策をより一層強固なものにする。また、がん患者への最新のがん関連情報の提供や相談支援体制などの充実を図り、日本のがん対策の現状把握、がん登録の法制化も検討。化学療法専門医、放射線治療専門医も養成する」とあります。
自民、民主両党とも、がん検診の重要性のほか、がん医療の均てん化、放射線療法や化学療法の推進、子宮頸がんのワクチンによる予防を重視する立場といえます。両党に共通しないものとしては、自民党が、緩和ケアに触れています。民主党は、禁煙によるがん予防、情報提供や相談支援体制の整備、がん登録の法制化にまで踏み込んでいます。また、民主党の方が「官僚用語」ではなく、具体的で分かりすい言葉を使っている印象です。
2人に1人が、がんになり、3人に1人が、がんで亡くなる「世界一のがん大国」日本です。政権交代にかかわらず、さらにがん対策に力を入れてほしいと思います。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)
