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Dr.中川のがんから死生をみつめる:/18 「放射線=やけど」は誤解

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/18 「放射線=やけど」は誤解

8月ですので原爆に絡めて放射線についての中川先生のコラムです。

治療用の放射線との違いについて説明してくれています。


Dr.中川のがんから死生をみつめる:/18 「放射線=やけど」は誤解
<以下、記事の引用です>


Dr.中川のがんから死生をみつめる:/18 「放射線=やけど」は誤解

 昭和20(1945)年8月6日に広島に、9日に長崎に原子爆弾が投下されました。そして、15日に終戦を迎えます。日本人にとって、8月は、被爆と終戦の月でもあります。

 世界一のがん大国でありながら、日本人は、がんのことを知りません。同じように、世界唯一の被爆国でありながら、原爆や放射線についても、きちんと知りません。

 中性子をウランやプルトニウムに衝突させると、原子核が中性子を放出して分裂します。この際、原子核を構成する陽子や中性子を結合させていたエネルギーが放出されます。そして、飛び出した中性子が隣の原子核を分裂させる連鎖反応が起きます。この連鎖反応を爆発的に起こさせたものが原爆であり、厳密な監視のもとでゆっくり反応させるものが原子力発電です。

 原爆の特徴は、二つあります。一つは、けた違いに強力な爆発力です。原子核から一瞬に放出される莫大(ばくだい)なエネルギーによって、大気の温度が上昇して火災ややけどをもたらします。空気は異常な高圧となって強い爆風を起こし、家屋を破壊します。もう一つ、核分裂で発生する大量の放射線や、分裂によってできた放射性物質(死の灰)が人体に影響を与えます。

 広島市では、45年末までに約14万人が、長崎市で7万人以上が死亡したと推定されます。死亡の原因は、まず、原爆の爆風と高温がもたらした被爆直後の建物の倒壊や火災、やけどによるものです。爆心地周辺の地面の温度は3000~4000度も上昇したとされます。

 さらに、大量の放射線によって多くの人が亡くなりました。広島、長崎の被爆者のように、全身に3~5グレイ以上の放射線を浴びると、生きていけません。これは、日本人が自然界から受ける放射線量の2000倍以上にのぼります。

 しかし、このように放射線を大量に被ばくしても、温度の上昇は1000分の1度にすぎません。原爆のやけどと放射線は関係がないのです。がんの重要な治療法である放射線治療に対し、「放射線=原爆のやけど」のイメージを持つ人が多いようですが、それは全くの誤解なのです。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

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