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Dr.中川のがんから死生をみつめる:/12 難しい「死亡宣告」

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/12 難しい「死亡宣告」

Dr.中川先生のコラムです。

死亡したことを宣告するのは難しいことだというお話です。

「殯(もがり)」という儀式の名残りが通夜ということもわかり、勉強になりました。

臓器移植法も改正され、ますます死、脳死の問題がクローズアップされてきます。

リンクしてみますので、ぜひ読んでください。

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/12 難しい「死亡宣告」
<以下、記事の引用です>


Dr.中川のがんから死生をみつめる:/12 難しい「死亡宣告」

 仮に心臓が止まっても、個々の臓器や細胞が死ぬ時間は、まちまちで、個体としての死の時刻を決めるのは実は難しい、とお話ししました。そして、「法律上の死」を決めるのが、医師の仕事です。「何時何分、ご臨終です」という形で死亡宣告がなされます。しかし、死亡宣告のあとで、心電図の波形が動いたり、ときには「ご遺体」が大きく息をしたりすることは僕自身も経験したことがあります。

 本来、多細胞生物の死の定義は曖昧(あいまい)ですから、医師にとっても、「死亡宣告」は難しいことなのです。まして、医学の知識の乏しかった時代、死の判断は簡単ではなかったでしょう。「息をひきとった」人が、「息を吹き返した」といったこともあったはずです。

 古代には、死んだように見える人が本当に死んでいるのか確信が持てなかったはずです。実際、天皇など高貴な人の死に際しては、「殯(もがり)」という儀礼が行われました。死者を本葬するまでのかなり長い期間、棺(ひつぎ)に遺体を仮安置し、別れを惜しみ、死者の霊魂を慰めながら、本当に生きかえらないかを確かめたのです。死者の復活を願いながらも、遺体の腐敗や白骨化などで、死者の「最終的な死」を確認したのでしょう。この殯は、昭和天皇の「大喪の礼」でも約1カ月にわたって行われました。

 現在も、死亡から24時間は原則として火葬が禁じられています。通夜も殯の風習の名残で、殯の期間が短縮されたものと言われています。もともと残された者たちが、死をじっくりと確かめ合うものだったのです。

 一方、現代の「脳死」は、逆に「早められた死」と言えます。脳の機能が失われ、自分では呼吸ができない状態ですが、人工呼吸器をつけることによって心臓は動き続けます。

 これまでの臓器移植法は、臓器移植の意思を生前に書面で表示していて、遺族が同意した場合に限り、「脳死した身体」からの臓器摘出を認めてきました。しかし、先週18日、本人の意思表示がなくとも、家族の同意だけで脳死臓器移植を認める法案が衆議院で可決されました。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

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