Dr.中川のがんから死生をみつめる:/10 痛みはゼロにできる
Dr.中川先生のコラムです。
がんの痛みをとるには<医療用のモルヒネ>を使って、痛みをゼロにできるそうです。
いろんな質問に公開講座でお答えになった答えも載っています。
Dr.中川のがんから死生をみつめる:/10 痛みはゼロにできる
<以下、記事の引用です>
Dr.中川のがんから死生をみつめる:/10 痛みはゼロにできる今回も、東京大安田講堂で開催された公開講座で寄せられた質問に答えたいと思います。
「米国でがん検診の受診率が高いのはなぜか。数字が間違っているのでは」という質問をいただきました。
間違ってはいません。がん検診は、日本の場合、子宮頸(けい)がん、大腸がん、乳がん、肺がん、胃がんに有効といわれています。どんなに生活習慣に気をつけても、がんができる場合があります。そのようながんも、検診で早期発見できれば、治すことが可能です。ところが、最も有効と考えられる子宮頸がんでも、日本の受診率は2割程度です。一方、米国の女性の84%が受けています。乳がんなども、同様の傾向です。
米国の場合、医療費を抑える意味からも病気の予防が重視されています。がん検診は基本的に無料、かかりつけ医やボランティアも受診を後押しします。日本でも、今後は開業医の役割が重要になるでしょう。
乳がんは、「自己検診」ができる唯一のがんです。風呂でタオルやスポンジを使わないで、手でお乳を洗ってみてください。脇の下にしこりがないかもチェックしてください。ご自身で乳がんを見つけた山田邦子さんの言葉ではありませんが、早期の場合、「肉まんに梅干しのタネ」のような感触が特徴です。
がんの症状をとる緩和ケアへの質問も目立ちました。まず、がんの痛みはゼロにできることを覚えましょう。切り札は、モルヒネなどの「医療用麻薬」です。飲み薬など普通の薬と同じように使います。がんの痛みはとった方が長生きする傾向もあります。しかし、日本の1人あたりの医療用麻薬の消費量は、米国の20分の1にすぎません。
「セカンドオピニオンを受けたいが、担当医が応じてくれない」という相談もありました。車など高価な商品を買うとき、多くの人がカタログを集めるでしょう。命がかかったがんの治療を納得して受けるには、なおさら「2番目の意見」が必要です。勇気を出してお願いしてみてください。そして、がんについての日本の実情を変えていくため、今必要なのは、学校でのがん教育と考えています。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)
毎日新聞 2009年6月9日 東京朝刊
