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Dr.中川のがんから死生をみつめる:/8 必然的な細胞の「自殺」

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/8 必然的な細胞の「自殺」

Dr.中川先生のコラムです。

細胞のお話から普通の細胞とがん細胞の死を取り上げてくれています。

リンクしてみますので、ぜひ読んでください。


Dr.中川のがんから死生をみつめる:/8 必然的な細胞の「自殺」
<以下、記事の引用です>

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/8 必然的な細胞の「自殺」

 人間を含む「真核生物」(細胞内のDNAが膜に包まれた「核」を持つ生物)は約20億年前に生まれ、約10億年後に多細胞生物が登場しました。

 当初は、細胞同士が寄り集まること自体に意味があったと思われます。内側にいる細胞はより安全で、外界の影響を受けにくいというわけです。そして、このことが、生きていくための仕事の分業につながっていきました。外界との境界を作るための細胞たち、食べ物をとることに専念する細胞たち、子孫を残すことに専念する細胞たちと、分業が進んでいったのです。

 このため多細胞生物にとって、「死」は二つの意味を持つようになりました。個々の細胞自体の死と、多数の細胞から作られた「個体」の死です。

 個体の死は、個々の細胞の死にもつながります。一方、一つ一つの細胞の死は毎日たくさん起きています。これまでお話ししてきたように、死んだ細胞を細胞分裂によって補う際のコピーミスが、がん細胞ができる原因です。

 多細胞生物では、個体を作るために、個々の細胞が犠牲になることもあります。受精卵から個体が出来上がるまでには、決まった時期に、決まった場所で、決まった数だけの細胞が死ぬことが必要なのです。大理石の一部を削り、彫刻を作り上げるようなものです。

 こうした「遺伝的にプログラムされた」細胞の死は、「アポトーシス」と呼ばれます。たとえば、オタマジャクシがカエルになる際にしっぽがなくなるのも、ヒトが胎児のときに手にある水かきが、成長するとなくなって指ができるのも、しっぽや水かきの細胞がアポトーシスによって死んでくれるからです。個々の細胞が、個体のために「自殺」しているのです。

 がん治療においてもアポトーシスは大事です。白血病、リンパ腫、小児がんなどでは、抗がん剤や放射線治療が刺激となってがん細胞がアポトーシスを起こし、がん細胞が死ぬことによって治療効果が上がります。逆に、白血球の減少や下痢など、がん治療の副作用も、骨髄や小腸の正常細胞がアポトーシスで死ぬことによって起こります。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)


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