Dr.中川のがんから死生をみつめる:/4 コピーミスの功罪
中川先生の連載コラムのご紹介です。
下記にURLをリンクしましたので一緒に勉強しましょう。
<Dr.中川のがんから死生をみつめる:/4 コピーミスの功罪>
DNAのコピーミスががん細胞に繋がっていて、コピーミスがなければ進化はありえないため人類は存在しない!
簡単には治らない病気のわけはここにあるような感じですね。
<以下、記事の引用です>
Dr.中川のがんから死生をみつめる:/4 コピーミスの功罪
私たちのからだは60兆個の細胞からできていますが、毎日、多くの細胞が死んでいます。髪の毛が抜けたり、皮膚の細胞があかになるなど、1日に8000億もの細胞が死ぬといわれます。
そして、死んだ細胞の数だけ、「細胞分裂」によって新しい細胞が生まれます。細胞分裂では、細胞の設計図であるDNAを正確にコピーすることが最も重要になりますが、コピーのときミスをすることがあります。これが「突然変異」で、1日に数億回起こるとされます。
実は、このDNAのコピーミスが起こらなければ、私たち人間の存在はありません。進化が起きないからです。38億年前に誕生したバクテリアのDNAは、変化が起きなかったため、いつまでたってもバクテリアのままです。一方、私たち人間は、数え切れないコピーミスと自然淘汰(とうた)を経て、現在のような豊かな生き方を手にしたのです。
さて、一般にコピーミスをした細胞の多くは「出来損ない」の細胞ですから、生きていけません。しかし、ある遺伝子に突然変異がおこると、出来損ないの細胞でも死なずに、分裂を繰り返すようになります。特に、細胞の分裂を止める働きをする「がん抑制遺伝子」が働かなくなると、細胞は死ぬことができない「不死細胞」となります。
こうして生まれた「不死細胞」が、がん細胞です。1日に5000個も発生すると言われています。DNAを完ぺきにコピーできないことが、進化の原動力である一方、がん細胞ができる理由でもあるのです。
多くのできたてのがん細胞は、免疫細胞によって水際で殺されます。私たちのからだでは、毎日、「5000勝0敗」の闘いが繰り返されているわけです。しかし、年齢とともに、免疫の働きも低下します。免疫細胞が殺しそこねたがん細胞は、10~30年の時間をかけて大きくなっていきます。
がんは、細胞分裂でのDNAのコピーミスが原因ですから、細胞が分裂しない臓器にはがんはできないことになります。心臓の細胞は、生まれてからほとんど分裂しません。がんが心臓にめったにできない理由です。
(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)
