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「がん細胞との共生」は「撲滅」より効果的:新しい治療法

「がん細胞との共生」は「撲滅」より効果的:新しい治療法

がんとの共生、いままでのがん抹殺療法とは考え方がまったく違う治療法です。

一気にがん細胞を殲滅せずに、腫瘍をあえて膠着状態に持ち込んで安定させてしまうという方法のようです。

これによりがんと共生しながら生きていけることになるとのこと。

興味深い治療法です。

「がん細胞との共生」は「撲滅」より効果的:新しい治療法
<以下、記事の引用です>


がんとの闘いに用いられる武器は、化学療法、放射線治療、ナノテクノロジーとさまざまだが、戦略の根本は常に同じだ――「見つけ次第破壊せよ、殺し屋には歩み寄りの余地なし」。だがRobert Gatenby氏は、平和的な解決を望んでいる。
モフィットがんセンターのRobert Gatenby氏は、がんを動的に進化していくシステムとして捉える、新世代の研究者の1人だ。
Gatenby氏は、数理腫瘍学(mathematical oncology)を専門としている。同氏のモデルによると、がんを1度に全滅させようとするのは、薬剤耐性細胞の増殖を促すことになり、がんを却って手強いものにしてしまう。がんとの闘いでは、医師はがん細胞を1つ残らず殲滅させようとするよりも、あえて腫瘍を長期の膠着状態に持ち込む方がうまく行く可能性がある、と同氏は語る。
がんの長期的安定性に関するGatenby氏のモデルは、『Cancer Research』誌の6月1日号に掲載された。Gatenby氏は、『Nature』誌5月28日号に寄せたエッセイでも、自身のアプローチを紹介している。Gatenby氏はワイアード・コムの取材に応じ、がんに対するこの新しいアプローチについて語ってくれた。
ワイアード・コム:[現在のがん治療は基本的に、細菌感染を抗生物質で治療するという手法と同様なことを目指しているというGatenby氏の発言に関して、]がんとの闘いは、バクテリアとの闘いとは大きく異なるものなのですか?
Gatenby氏:細菌の細胞は、われわれ哺乳類の通常の細胞とは根本的に違います。細菌にのみ働きかけ、われわれの細胞には悪さをしないものを探し出すのは、正常の細胞と正常でない細胞を区別して働きかけるものを探し出すより、ずっと容易です。
また細菌は一般的に、抗生物質に対してきわめて敏感で、薬剤耐性を獲得するといっても、それは長期間をかけてのことです。腫瘍細胞の場合、薬剤に対する反応はそのような敏感さには遠く及ばず、また治療への反応の仕方もずっと多様です。治療を始めてもいないうちから、さまざまな耐性のあらわれを目撃することになります。
薬剤に耐性のある細胞は、その耐性メカニズムを維持するためにエネルギーを使っています。薬剤を投与する以前からそうなのです。こういった細胞は、自身の維持にエネルギーをとられて、自身を増殖させるためのエネルギーが不足しており、数も少数です。しかし、大量に薬剤を投与するとこのバランスが大きく変わります。対抗していた細胞を死滅させ、耐性のある細胞が増えていってしまうのです。
ワイアード・コム:代替的な治療方法とはどんなものですか?
Gatenby氏:侵入生物に対する人間の対応を、がん治療にも当てはめて考えることができます。例えば害虫に対応するには、殺虫剤に耐性のある害虫が支配的勢力となるのを防ぐために、農地の4分の3に殺虫剤を撒き、残りの4分の1は放っておくという方法をとります。殺虫剤散布の後も、この区画では殺虫剤に耐性のない害虫が生き残り、やがて農地全体に広がっていくからです。
殺虫剤を農地全体に撒いてしまうのと同じようなことを、われわれは現在、がんに対してしています。害虫を1度に駆除したいのは誰しも同じですが、それができないのならば――襲来のたびに対応して、耐性を付けさせてしまっているのならば――別の戦略を試すべきです。これに代わる方法は、害虫が作物に被害を及ぼさない程度に数を減らす努力をしつつも、害虫が農地に居座り続ける事実を受け入れることです。これこそがまさに、私ががんについて言っていることです。
ワイアード・コム:それにはどのような治療が含まれますか?
Gatenby氏:投与する薬剤の量を一定にするのではなく、腫瘍の大きさを一定に保つべきです。大局的な目標は、腫瘍を安定した状態に保つことです。このことを念頭に置いて、薬剤やその投与量、投与の時期を、絶えず変更するべきです。
ワイアード・コム:この戦略がうまく行くだろうことを裏付ける根拠は、あなたの数理モデルのほかに何かありますか?
Gatenby氏:マウスの卵巣がんを例にとると、きわめて大量の薬剤を投与した場合、腫瘍が消滅するので、完治できたように見えます。しかし数週間後には再発し、マウスを死に至らしめます。これが一般的な成り行きです。
われわれは、薬剤の量を減らし、必要な時だけ投与しました。これにより、腫瘍を安定した状態に保ち、マウスをいつまでも生かしておくことができました。
{日本では金沢大学の高橋豊氏が、「がん休眠療法」を提唱している。なお、この翻訳は抄訳です]
[日本語版:ガリレオ-江藤千夏/合原弘子]
WIRED NEWS 原文(English

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