ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)
がん内部で放射線を発生させる最新治療法
聞いたこともない治療法なのですが、技術の進歩によって過去に諦められた治療法が復活しました。
放射線治療も素晴らしい治療法なのですが、その放射線治療ができないようながんに対する治療法としてこれから脚光を浴びると思われます。
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)
がん内部で放射線を発生させる最新治療法
<以下、記事の引用です>
[21]ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)
がん内部で放射線を発生させる最新治療法がん治療の進歩は著しい。内視鏡を使った患者負担の少ない外科手術や、無軌道に増殖してしまうがん細胞の増殖機構を止める新薬など、毎年のように新たな治療技術が開発されている。
中でも、放射線治療はここ数年で大きく進歩した分野だ。がんにだけ集中して放射線照射できる技術を高めた結果、初期の肺がんや子宮頸がんなどでは、放射線治療は手術とほぼ同等の治療成績を収めている。
舌がん、口腔がんなどでは、会話や物を飲み込む機能の温存という点で、手術を上回る治療法となった。体にメスを入れずに治すことのできるがんは徐々に増えている。
放射線治療の最先端技術の多くは日本が牽引している。世界のがん治療を変える可能性を秘めた、日本育ちの技術を紹介しよう。
腫瘍の内部で核反応を誘発
外部から放射線を照射する従来の放射線治療法とは全く違う、新たな方法として注目されているのは、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)だ。これは、腫瘍の内側で核反応を引き起こすことで、放射線障害を腫瘍だけに限定するというもの。京都大学原子炉実験所附属粒子線腫瘍学研究センター長の小野公二氏らが臨床研究を進めている。
ホウ素(B)を腫瘍に取り込ませ、そこへ中性子線を照射。核分裂によって生まれたヘリウム原子核(He)とリチウム原子核(Li)ががん細胞を破壊する
画像のクリックで拡大表示
原理は次の通り。
まず腫瘍内部に選択的にとどまる性質を持つホウ素化合物(ボロカプテイト、パラボロフェニルアラニン)のホウ素をホウ素同位体(10B)に置き換え、点滴で投与する。次に腫瘍に対し、エネルギーの弱い中性子線を照射。
腫瘍内部に取り込まれた10Bは中性子を捕捉して、ヘリウムとリチウムの原子核に分裂し、それぞれ約9μm、約4μmの長さだけ飛び出しながらDNAを破壊する。
細胞1つの大きさが約10μmなので、効果はがん細胞だけにとどまる。
