[21]ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)
がん内部で放射線を発生させる最新治療法-その2
<ホウ素中性子捕捉療法>は、いままで治療法が難しかったがんに対して効果のあがる治療法です。
重粒子線治療の次の段階の治療法になり、使用する加速器も重粒子線のものよりも小型で安価に設置できるので普及しやすいとのことです。
<以下、記事の引用です>
[21]ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)
がん内部で放射線を発生させる最新治療法イノベーション 技術 ホウ素中性子捕捉療法 BNCT
従来の外部からの照射では、腫瘍に至るまでの放射線の通り道がどうしても被曝する。小さくまとまったがんは、多方向から照射することで周りの被爆を体に影響が出ない程度に分散することもできるが、細かく散らばったがんや巨大ながんに対しては、どうしても周囲の被曝量が多くなる。「BNCTは形や大きさに効果が影響されない」と小野氏。臨床研究では、主に再発、多発の脳腫瘍と頭頸部がん、アスベストによる肺の悪性中皮腫など、これまで治療自体が困難だったがんで効果を上げている。
米国生まれ日本育ち
BNCTは1950年代の米国で初めて臨床研究が行われた。しかし、治療効果は芳しくなく、数年で研究は中止に追い込まれた。それを引き継いだのが日本。ホウ素化合物の改良などで、およそ半世紀かけて治療成績を高めていった。2000年代になって有効性が次々に明らかになると、欧米も改めてBNCTの研究を再開した。
この治療法のネックは、今のところ、中性子を取り出せる原子炉でしか行えないこと(日本は2カ所)。そこで、同センターでは中性子線専用の加速器を新たに設置し、2009年の初夏に稼働させる予定だ。加速器は、日本に数台設置されている陽子線や重粒子線治療用のものよりも小型で、比較的安価に設置できる。加速器を医療機器として承認してもらうための治験も計画している。
機器として承認され、BNCTの普及が進めば、これからのがん治療の大きな武器になるだろう。「将来は、多発した肝臓がんや炎症性乳がんなど、治療法が乏しいほかのがんに対しても、BNCTの効果を確かめていきたい」と小野氏は話している。
BNCTを用いて治療を行った一例(提供:小野氏)。59歳男性、アスベストによる中皮腫。治療前(左)は腫瘍が肋問をはみ出すまで拡大していた(黄色矢印が指す部分)が、治療後、腫瘍は縮小、10カ月生存することができた
画像のクリックで拡大表示
(江本哲朗=日経メディカル編集)
