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 ◇「患者助けたい」外科医の体験が原点、がんワクチン開発に挑む--中村祐輔さん(56)

 ◇「患者助けたい」外科医の体験が原点、がんワクチン開発に挑む--中村祐輔さん(56)

毎日新聞のニュースからピックアップです。

ペプチドワクチン療法の第一人者の中村先生は、スキーで骨折した中学生の時に、

入院先の病院での医師や看護婦さんの温かさに感動して医者になることを志したということです。

そんな中村先生が開発中の<ペプチドワクチン療法>!

がん細胞の表面にあるペプチドという目印を手掛かりに、がん細胞だけを攻撃する免疫細胞を増やし、がん細胞を直接破壊できるという治療法です。

抗がん剤と同等の治療効果が認められ、なおかつ副作用が圧倒的に少ない治療法ですから、

より研究が進んで欲しいものですが、日本のワクチン研究の予算はほとんどないとのこと。

必要な分野へ予算を廻さなければますます日本のがん治療は遅れてしまいますね。

がん後進国<日本>となっているようです。

 ◇「患者助けたい」外科医の体験が原点、がんワクチン開発に挑む--中村祐輔さん(56)
<以下、記事の引用です>


キャンパる:インタビュー・会いたい人 東京大学医科学研究所教授・中村祐輔さん

 ◇「患者助けたい」外科医の体験が原点、がんワクチン開発に挑む--中村祐輔さん(56)
 日本人の死因トップである「がん」。そんながんのワクチン開発を進める一人の研究者に会った。【東京理科大・五十嵐亮平、写真は法政大・野村新】

 ◇世のため働いてほしい
 数学が大好きな少年の運命は、入院先の病院で決まった。「医師や看護師の方がとにかく温かかった。こんな人たちになりたいと、心から思ったんです」。東京大学医科学研究所の中村祐輔教授(56)は、医師を志したきっかけを懐かしそうに語る。スキーで骨折、中学生の時だった。

 大阪大学医学部を卒業後、外科医として大阪府内の病院に勤め、がん患者たちと向き合うことになった。「若い女性でしたが、私の白衣の袖をつかんで、泣いて訴える患者さんもいました。誰もが病気の回復を願っていますが、やはり全員を助けられるわけではなかったんです」。無力感が中村医師を襲った。

 こうしたがん患者との出会いがきっかけで、アメリカで5年間、人間の遺伝子暗号と言われるヒトゲノムの研究に没頭した。「まずは遺伝性の高いがんを研究して多くの人を救えればと思いました。畑違いの分野ではあったので大変苦労はしましたが」

 その後、日本に戻っても研究を続け、今ではヒトゲノム研究の第一人者としても知られる。ゲノムの研究を応用して個々の患者に合わせた医療を提供する「オーダーメード医療」や「ペプチドワクチン療法」を提唱、開発にあたっている。

 実は、がんの免疫療法は100年以上の歴史がある。しかし、どれも全般的に免疫力そのものを高めるものばかりで、がん細胞をどのようにやっつけるかを示す科学的根拠が明確でないという。つまりインフルエンザのようなワクチンとは根本的に異なっていたのだ。

 中村教授が開発中の「ペプチドワクチン療法」は従来の免疫療法と違う。がん細胞の表面にあるペプチドという目印を手掛かりに、がん細胞だけを攻撃する免疫細胞を増やし、がん細胞を直接破壊できるのだ。

 食道がんや、膵臓(すいぞう)がんなどに対して、これまでに行われた臨床研究の結果は、被験者の4割でがんの進行が止まり、2割でがんが小さくなったとのこと。これは、既存の抗がん剤と同程度かそれ以上の効果であり、副作用も抗がん剤より圧倒的に軽い。現在は、より早期のがん患者でも臨床研究を続けている。

 しかし、困難もある。がん予算の倍増を唱えるアメリカのオバマ政権とは対照的に、日本ではワクチン研究のために必要な予算がほとんど出ていない。また、日本ではがん治療薬の開発から認可まで時間がかかり、患者の手まで届くのに何年かかるかわからない。

 最近の医療の世界については気になるコメントを残した。「成績が良かったから医者になった、という学生が多いのが気になります。かつては『人の役に立ちたい』と言って志す人が多かったのですが」と残念がる。そして、学生へのメッセージとして「自分のためだけに生きるのではなく、未来の子供たちや世の中のためを思って働いてほしい」と力を込めた。

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 ■人物略歴

 ◇なかむら・ゆうすけ
 大阪府生まれ。77年、大阪大学医学部卒。ユタ大学助教授などを経て現職。専門は遺伝学、腫瘍(しゅよう)学。編著に「がんペプチドワクチン療法」(中山書店)など。


毎日新聞 2009年10月23日 東京夕刊

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