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日本人のためのがん予防法

<日本人のためのがん予防法>という記事をみつけましたので、ご紹介させてください。

がんのリスク・マネジメントとして連載されている講義の24回目、最終回にあたるそうです。

がんを意識しすぎて無理な予防法をすることは効果がない!との結論です。

サプリメントなども取りすぎは返って逆効果となり危険とのこと。

下のこの部分は重要だと思われますので目を通してみてください。

<以下、記事の抜粋>

現状では、がんを予防することが確実と評価された単一の食品や食品成分は存在しません。β-カロテン、ビタミンA、C、E、セレニウムなどの抗酸化栄養素を単独、あるいは、複合で用いても、がん予防効果がないことを示す複数の確かなエビデンスが揃ってきています。むしろ、通常の食事からは摂取できないレベルの高用量のβ-カロテンやビタミンEは、がんや健康障害のリスクを上げるという確かな証拠が示されています。したがって、たとえがんを予防する可能性が示されている成分でも、サプリメントなどで過剰にとりすぎないように注意すべきです。

 もう1つ気をつけなくてはならないのは、特定のがんを予防するための生活習慣が、必ずしも健康的とはいえないという点です。なりたくないからといって、がんという1つの病気にこだわりすぎるのは得策とは言えません。

 例えば、肥満に関連するがんや糖尿病を予防するにはやせればやせるほど効果的ですが、やせすぎてその他の部位のがんや感染症や脳出血などのリスクが高くならないよう、バランスをとる必要があります。

 また、紫外線に関連する白人に多い皮膚がんをおそれて極端に日光を避けていると、体内でビタミンDが作られにくくなり、大腸がんなどのリスクが高くなるとの仮説もあります。

あまりガンの予防ばかりを気にしすぎても他の病気のリスクが上がってしまうというのでは、がんの予防の意味がありませんのでほどほどにしなくてはなりませんね。

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<以下、全文になりますが引用させて頂きます>

がんのリスク・マネジメント:(24)現状におけるがん予防法を最大限活用するには

 これまで長らく疫学者のエビデンス談義にお付き合いいただき、どうもありがとうございます。最終回では、「日本人のためのがん予防法」をまとめて紹介します(表)。詳細は、国立がんセンターがん情報サービスにも掲載されています(http://ganjoho.ncc.go.jp/public/pre_scr/prevention/evidence_based.html)。エビデンスに基づく予防法の宿命として、この内容は、今後新しい研究の成果が積み重なることにより、修正されたり、項目が追加あるいは削除されたりするアップデートを前提とします。疫学研究が進むにつれ、期待されていた結果が改めて証明されたり、あるいは、前回ビタミンのサプリメントの最新事情についてお話ししたように覆されたりなど、情報が更新されます。


 あっと驚くような予防法が出てくるはずもなく、一般的な注意事項が淡々と並びます。しかしながら、生活習慣を変えることはなかなか難しいものです。喫煙や飲酒、食事や運動の改善には強い動機と継続する力が必要でしょう。そうである以上は、やる価値に値する確かな予防法にしぼることが実践的と考えます。

 特に注意すべき点について、補足説明をしておきます。エビデンスが不十分なために、確実あるいは可能性が高いとまでは評価されていなくても、がんのリスク要因として疑われているもの(動物性脂肪や肉や魚の焼けこげなど)は、生活の利便性や嗜好とのバランスを考えながら、なるべく避ける努力をするのが賢明でしょう。

 一方、がんの予防要因の可能性が示唆されているもの(食物線維、葉酸、大豆イソフラボンなど)は、不足しないように心がけるくらいでちょうど良いでしょう。

 現状では、がんを予防することが確実と評価された単一の食品や食品成分は存在しません。β-カロテン、ビタミンA、C、E、セレニウムなどの抗酸化栄養素を単独、あるいは、複合で用いても、がん予防効果がないことを示す複数の確かなエビデンスが揃ってきています。むしろ、通常の食事からは摂取できないレベルの高用量のβ-カロテンやビタミンEは、がんや健康障害のリスクを上げるという確かな証拠が示されています。したがって、たとえがんを予防する可能性が示されている成分でも、サプリメントなどで過剰にとりすぎないように注意すべきです。

 もう1つ気をつけなくてはならないのは、特定のがんを予防するための生活習慣が、必ずしも健康的とはいえないという点です。なりたくないからといって、がんという1つの病気にこだわりすぎるのは得策とは言えません。

 例えば、肥満に関連するがんや糖尿病を予防するにはやせればやせるほど効果的ですが、やせすぎてその他の部位のがんや感染症や脳出血などのリスクが高くならないよう、バランスをとる必要があります。

 また、紫外線に関連する白人に多い皮膚がんをおそれて極端に日光を避けていると、体内でビタミンDが作られにくくなり、大腸がんなどのリスクが高くなるとの仮説もあります。

 乳がんの治療薬であるタモキシフェンは、米食品医薬品局(FDA)によって乳がんの予防薬としても承認されています。乳がん高リスクの人の乳がん(ER陽性)のリスクを約2分の1に低下させる一方で、血栓性疾患(脳卒中、肺塞栓、深部静脈血栓など)や子宮内膜がんのリスクを上げることが示されています。したがって、乳がんリスクがきわめて高い特定の人にとっては、不利益とのバランスを考えながら使う余地があります。ただし、一般の人には薦められません。

 がん予防のための予防戦略は、一律に誰にでも当てはまるというものではありません。総合的な健康と1人1人の生活習慣との兼ね合い、そして各個人の価値観の中で、改めてその位置づけを問い直さなくてはなりません。自分への健康リスクを正しく理解した上で、それでもたばこを吸うという選択もあるかもしれません。しかしながら、たばこを吸わない人に対して健康被害を与える行為は、決して正当化されないでしょう。欧米の多く、アジアでも一部の国・地域では、公共の場における禁煙を法制化することにより、健康被害を防ぐ措置がとられていて、今や国際社会では常識となりつつあります。「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」に批准している以上、日本も、やがてそうなることを期待しています。

 最後に、がん予防は、疾病予防・健康増進の大きな部分を占めることは確かですが、そのすべてではありません。他の病気予防を見据えながら、偏らずバランスの良い、そして自分にとって楽しく心地良い生活を送るのが基本と考えています。


◇津金 昌一郎(つがね・しょういちろう)

 国立がんセンターがん予防・検診研究センターの予防研究部長。1981年慶應義塾大学医学部卒業、85年同大学大学院修了(医学博士)、03年から現職。主な研究分野はがんの疫学研究で、人集団を対象に、様々な要因と病気の関係を検証しながら予防法を探っている。「多目的コホート研究」という大規模長期追跡調査や、国内の研究を要約・評価して確かな予防法を提示する「生活習慣改善によるがん予防法の開発に関する研究」などの研究班を率いる。「がんになる人ならない人」(講談社ブルーバックス)などの著書がある。

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