医療用麻薬<モルヒネ>についてのコラムを読みましたのでご紹介します。
がん患者は積極的に医療用麻薬<モルヒネ>を使っていくことを薦めています。
麻薬の使用に対し、患者や家族に「中毒になっては困る」との不安は強いが、医師の指導のもと、がん患者が使う医療用麻薬で中毒が起きることはない。吐き気などの副作用はあるが、対処法が確立している。米国での研究では、医療用麻薬を使用した方が、未使用グループより余命が長いとのデータがある。
私もそうでしたが、中毒になる!幻覚を見る!使うとだんだん効かなくなる!など耳から入った情報をしっかり信じていました。
以下に引用させてもらいますので、ぜひ読んでみてください。
医療ナビ:がんの緩和ケア 「末期患者向け」など誤解多く、普及が遅れている日本…
◆がんの緩和ケア 「末期患者向け」など誤解多く、普及が遅れている日本。痛みへの対処法は。
◇早期から積極的に WHOが指針、麻薬中毒の心配なし
◇睡眠、食欲回復 人生を前向きに
末期の肺がんだった50代男性は、がんが原因の痛みが終日続き、夜まどろむこともできなかった。医療用麻薬(モルヒネ)を処方しようとしたが、「麻薬なんか飲みたくない」と拒んだ。だが、いよいよ痛みが治まらず、麻薬を徐々に投与され、痛みが消えた。「やっと、がんに勝てるという気持ちになれた。やりたいことに挑戦しようという思いが出た」。余命3カ月と言われた男性は、1年半後に亡くなるまで普通に生活し、自分の人生を整理する時間にあてた。この男性を担当した武田文和・埼玉医科大客員教授は「患者が人生の最後を有意義に過ごそうとする際に邪魔をするのが『痛み』だ」と話す。*
世界保健機関(WHO)の推定によると、痛みはがん患者の3分の1、末期がん患者の7割が経験する。がん自体は痛みを発しないが、大きくなったがんが神経を圧迫し、痛みを起こす。精神的にも追い詰められた患者には不眠や食欲減退が起き、体力の低下と症状の悪化をもたらす。
このため、痛みをとる「緩和ケア」が重要だ。対象となる痛みには、(1)がんが周囲の組織を圧迫して神経が刺激されて起きる痛み(2)手術の傷などがん治療に伴う痛み(3)がん進行で全身衰弱し、それによる便秘や床ずれの痛み(4)がんには関係ない痔(じ)や五十肩などの痛み--の4種類ある。(1)の痛みが、全体の7割を占める。
だが、日本では緩和ケアが十分実施されていない。医療界には「医療用麻薬はむやみに使わない」との慣習があった。患者も「緩和ケアは末期がん用」との誤解があった。03年の厚生労働省研究班の調査では、大学病院で痛みを取った末期がん患者は約4割、がんセンターでも約6割だった。日本医師会が昨年、全国の医師約27万人に実施した調査では、「痛み緩和に関する知識や技術が十分ある」と答えたのは約2割。人口100万人当たりのモルヒネ使用量は米国の20分の1だ。
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1986年、WHOはがんの痛みの治療法指針を初めて作成した=表参照。早期がんから、積極的に痛み治療に取り組む内容だ。指針策定の委員会に参加した武田さんは「埼玉県立がんセンターで約150人の患者にWHO指針の治療を実施したところ、96%の患者の痛みが消え、残りも痛みがやわらいだ。早くすそ野が広がってほしい」と訴える。
07年施行のがん対策基本法は、取り組むべき施策の一つに緩和ケアの充実を挙げた。厚労省は、10年以内にがん治療に携わる全医師が緩和ケアの基礎的知識を持つための研修、在宅療養でも緩和ケアを続けられる仕組み整備などに取り組む。市民向けの啓発活動「オレンジバルーン・プロジェクト」も始めた。
麻薬の使用に対し、患者や家族に「中毒になっては困る」との不安は強いが、医師の指導のもと、がん患者が使う医療用麻薬で中毒が起きることはない。吐き気などの副作用はあるが、対処法が確立している。米国での研究では、医療用麻薬を使用した方が、未使用グループより余命が長いとのデータがある。
痛みがとれると十分眠ることができ、食欲も増し、健康状態を好転させると考えられる。武田さんは「余命が同じでも、痛みに苦しんで過ごすのと、健康なときと同様に過ごすのでは大違いだ。痛みの強さを医者は判断できない。患者は痛みがとれるまで、遠慮なく『痛い』と訴え続けてほしい」と話す。【永山悦子】
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◇WHOのがんの痛みの治療法
(1)できる限り飲み薬で治療する(飲み薬は患者自身の自立を保ち、高い有効性が確立している)(2)痛みの強さに応じた効力の薬を使う(痛みが強いときは効果が強い医療用麻薬を使う)
(3)痛みが消える量へと増やして使う(医療用麻薬は痛みが取れる量まで上限なく増やせる。症状によって適量が異なる)
(4)時刻を決めて規則正しく使う(薬の効果が消えて痛みが再発する時間を作らない)
(5)細かな点に配慮する(副作用対策として吐き気止めや下剤などを使用する)
毎日新聞 2009年2月3日 東京朝刊
