【がんと闘う ワクチン療法】(下)新しい作用の薬 有用性どう判断 (1/2ページ)
ワクチン療法の3本目のニュースです。
ペプチドワクチンがまだまだ認められていないことがわかりますね。
可能性のある薬には広範囲に有用性を認めてほしいものです。
これからもペプチドワクチンに期待したいです。
【がんと闘う ワクチン療法】(下)新しい作用の薬 有用性どう判断 (1/2ページ)
<以下、記事の引用です>
【がんと闘う ワクチン療法】(下)新しい作用の薬 有用性どう判断 (1/2ページ) 2009.11.10 07:50久留米大学病院のがんペプチドワクチン。それぞれの患者に最も適したペプチドを選んで作る=福岡県久留米市の久留米大学先端癌治療研究センター
■末期患者だけでは難しい検証
厚生労働省の「高度医療評価会議」は7月、久留米大学病院(福岡県久留米市)が実施するペプチド(タンパク質の断片)ワクチン療法を条件付きながら、「高度医療評価制度」に承認した。同制度は昨年4月から開始。「本格的に認められれば、混合診療も可能になるのでは」と患者らの期待が高まっているものの、同大学先端癌(がん)治療研究センターの山田亮所長は「混合診療のためには、さらに先進医療専門家会議の審査をクリアしなければいけない。
これは既存の医療と比べて効果が高いかどうかを評価するもので、がんワクチンのような新しい作用の薬が認められるかどうかは全く分からない」と指摘する。
患者の協力必要先進医療専門家会議は保険との併用の適否を判断する組織で、近い将来、誰もが使える薬として認めていいかどうかを見極める。新しい薬の場合、既存のものと比べて有効性が高いかどうかが大きな判断基準になる。例えば、既存薬が10人のうち5人に効くというデータがある場合、新しい薬の候補となる物質も10人中5人以上に効くことを示さないと、薬として承認されない可能性が高いという。
こうした薬の有効性をめぐる判断基準に対しては異論もある。ペプチドワクチンの研究を進める東京大学医科学研究所の中村祐輔教授(同研究所ヒトゲノム解析センター長)は「遺伝子の型の違いで薬の効きやすさが異なることが分かるようになってきた今、従来の方法で有効性を判断するのが本当に患者のためになるのか。人によっては効果のある物質が薬となる可能性を奪うのではないか」と疑問を呈する。
山田所長も「治療法が全くない進行期のがんで、たとえ1割でも助かる薬があるとすれば画期的なこと。とはいえ、効かない9割への投与が無駄というのも事実だ。どういう人なら効くのか、投与前に判断するシステムが必要」と話す。
久留米大学病院のペプチドワクチンは、それぞれの患者に最も適したものを選んで投与されているものの、すべての人に効果があるわけではない。そこで今、500人のデータを基に遺伝子を分析、どういうタイプでワクチンの効果が高いかを検証している。
山田所長は「10年にわたる臨床試験の結果から、ペプチドワクチンは薬になるものと確信している。医薬品として認めてもらうためにはさらにデータを積み上げねばならず、多くの患者さんの協力が必要」と話す。
対象者の拡大を日本では、がんワクチンの臨床試験の対象は、ほかに治療法のない末期の患者に限られる。ただ、ペプチドワクチンなどの免疫療法は、効果が表れるまでに時間がかかることが臨床試験で分かってきた。
これは、がん細胞を特異的に攻撃するリンパ球が、がん細胞数と拮抗(きっこう)できるまで増えるのに時間がかかるためと推測されている。研究者の間では「余命が短い末期患者では効果が表れる前に亡くなってしまい、効果の検証が難しいのでは」という声も挙がっている。
中村教授は「米国のFDA(食品医薬品局)は臨床試験の対象を末期患者だけでなく、もっと早期の段階の患者にまで広げる方針を打ち出している。ワクチン治療の原理を考えれば当然の判断で、日本でも同様に患者の対象を広げるべきでないか」と提案している。
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この連載は平沢裕子が担当しました。
